2012年9月15日土曜日

情報の伝え方

多田です。
以前、北総病院で研修中に、救急隊の電話での情報伝達がものすごくわかりやすかったことを記事にしました。

お読みでない方は、こちらをどうぞ。
痺れました

「すごい!」と思いましたが、思っているだけではいけませんので、自分もまねしなくてはと思い考えました。
Drヘリで現場に出動した際に、医者だからといって、救急隊以上に得られる情報は実はそう多くありません。
観察・診断ということに関しては、
外傷の患者さんで言えば、「超音波が使えること」だけ。
内因性の患者さんで言えば、「血糖が測れること」だけが、救急隊にできなくて、フライトDrにできることだと思います。
(治療に関することは、Drの方がいろいろできることが多いです。Drヘリはそのための乗り物ですからね。決して速い搬送が目的ではありません。
とすると、情報伝達が上手な救急隊のまねをすれば、うまく患者さんの情報を伝えられるのでは?
研修中に考えて作ってみました。

これは、外傷編ですが、病院前の医療なので、病院前救護のプロトコール:JPTECの概念を応用しています。
(JPTECってなに?という方はこちらか、こちらをどうぞ)
Drヘリから、基地病院へ医療無線で話すためのひな形と思って作りました。

外傷の情報はJPTECでは、
MIST(Mechanism:受傷機転、Injury:損傷、Sign:意識・呼吸、循環の状態、Treatment:行った処置)
の順番に情報を送るように、指導されています。
自分はこの順番に決まったのは、漏れのないようにする語呂がいいからだと、勝手に解釈しています。
MIST(霧の英語)だと確かに覚えやすいのですが、聴いている方からすると、より重症な症状が伝えられるだろう、Signより先に、命に関わらないInjuryが先に伝えられることがあり、「それ(やばそうなSign)先に言って欲しいなー」と思うことがちょくちょくあります。
なので、自分はMSITで話した方が、より重要な情報が早くに伝えられるのではと思っています。
来年度、Drヘリの機内からこれを見ながら、無線を送る日を夢見て、さらにいいものにできればと思っています。

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