2014年5月30日金曜日

新調しました。

多田です。

広島県ドクターヘリがスタートして、1年を超えました。
徐々に要請件数も増えてきており、消防・防災ヘリコプターを使っての「ドクターヘリ<的>事業」のころと比べて、軽く5-10倍程度の出動件数となっています。
(当院の屋上に着陸したドクターヘリ)

ドクターヘリが当院のヘリポートへ着陸する際は、院内の警備の方が、屋上の安全確保とヘリポートまでのエレベーターを操作してくれます。
ドクターヘリスタートまでは、月に1件あるかないかだったヘリコプターの飛来が、昨年度はドクターヘリだけで50件。およそ週に1件はドクターヘリがやってくることになっています。警備の方も慣れたもんです。
(左の警備の方が、エレベーターを操作してくれます)

ただ、それだけの件数増加があれば、気になってくることも・・・。

屋上ヘリポートのウインドソックス(風向風速計)が、長年の雨風にさらされて「クタクタ」になってしまっていましたので、管財課にお願いして新調していただきました。
(オレンジと灰色・・・)

(赤と白です)

また、屋上ヘリポートから、エレベーターホールに移動して患者さんが移動する際、屋上庭園からエレベーターホールに避難していただいている方がいらっしゃいます。患者さんのプライバシーを守るために、これも管財課にお願いしてカーテンを設置していただきました。
病院としても、改善するべきところは改善していきます。

2014年5月26日月曜日

岡山からやってきた同志と、未来のフライトドクター達

多田です。

先日、岡山大学病院救急部から当院救急科へ、交通外傷の患者さんの転院搬送がありました。患者さんの状態を考えて、岡山市消防のヘリ「ももたろう」での搬送となりました。

(ももたろうです)

転院搬送についてきてくれたDrは、岡山大学病院のT原先生です。
(T原先生と多田)

T原先生と自分は、どちらもPICUでの研修をしたいわゆる「おなじ穴のむじな」で、Facebook上で「PICUなくても頑張ろう会」を作り、情報交換をしています。
幸い患者さんの状態は、安定しており、当院の救命救急センターと、救急外来などを見学いただきました。
 短時間でしたが、お互い刺激しあえたいい時間だったと思います。

また、「ももたろう」到着までの時間を使って、当センターへ見学に来てくれている学生さんと、就業前研修に来ていただいている救命士さんと一緒にヘリポートの見学をしました。その後、飛来した「ももたろう」に一同大興奮で、「ヘリに乗りたい!」といってくれる人もいました。


将来この中から、救急医やフライトドクターになってくれる人が出てくれればうれしいですね。

2014年5月22日木曜日

おかげさまで、200000ページビュー達成!です。

多田です。

2012.6月にあまり深く考えずに始めたこのブログのページビューが、2014.5/17に
200000になりました。


2013.7月に、スタートしてから約1年で100000ページビュー達成しました。
ブログを続けていると、徐々に見てもらえる方々が少し増えて、11ヶ月で+100000です。

続けて行くにつれて、「ブログ見てます」って言っていただける方が増えてきていて、「細くでもいいので長く続けていきたい」と思っています。

これからもよろしくお願いします。


2014年5月18日日曜日

退任記念祝賀会

多田です。

2014.4月のことです。当センターの佐伯医師と一緒に、千葉北総病院救命救急センター教授、M先生の退任記念祝賀会北総病院でのHEM-net研修医師として、お招きいただき、図々しくもお邪魔させていただきました。

(流れるようなご挨拶で心にしみました)

都内のホテルで開催された祝賀会には、200人を超える招待者がいらっしゃり、席次表に書かれたお名前は、我々が教科書の背表紙でお見かけする、救急医療の著名な先輩方ばっかりでした。
(研修中にお世話になった懐かしい先生方とも再会しました)

M先生のお人柄もあり、アットホームな雰囲気もあり、荘厳な雰囲気もある非常に居心地のいい会でした。
(M先生ご夫妻と)
お招きいただきありがとうございました。

(I貞さんと、北総OBの先生方と、佐伯医師と)

祝賀会のあとは、HEM-net理事である、作家のI貞さんに導かれ、北総病院OBの先生方と楽しい2次会に。きちんと割り勘で飲みましたよ。

また新しい出会いをいただきました。I貞さん、いつもありがとうございます!!

2014年5月15日木曜日

厳しめのBLS-AED

多田です。

毎年、当センターのスタッフが中心となり、院内の「心肺蘇生委員会」が、1年目の研修医の先生達と、希望者を対象にBLS-AEDのトレーニングを行っております。
トレーニング方法は一般的なコースものと同様に、「やさしく、褒めちぎって」です。
(研修中の救命士さんも、見学に来てくれた学生さんも参加です)

(K看護師の胸骨圧迫が「速く」「強い」ので写真がぶれてます)

今年度は、当救命救急センターでは、看護師全員を対象に、BLS-AEDのトレーニングを行っています。
今年度配属された、新人さんだけでなく、「全員で基本の基本を徹底」することが目的です。
救命救急センターで働く上で、絶対に必要な知識ですので、一般の方と同様な完成度では全く話になりません。
今回は、センター長の許可もあり、いわゆる「成人教育」の枠にとらわれない、
「厳しく、たたき込む」方法です。

(大きな声で応援を呼びます!)

(センター長のチェックも入ります)

具体的には、場面の想定として、「院内の応援の人がいない場所を設定」したり、「BLS-AEDをならったことがない人との2人法」だったり、「緊急コールが異なる種類の病棟」だったりとリアリティーをもったシミュレーションができるような設定をしています。

「床に転がっている人形相手」のシミュレーションができるだけでは、実際の患者さんと対峙した際に、きちんとした対応ができません。

救命救急センターのスタッフとして働いている限りは、プロとして、120点のBLS-AEDを提供できるところを目標としてトレーニングをして欲しいと思い、回数を重ねています。

リアルな場面の想定をするだけでも、「ドキドキ」してしまうスタッフが多く、シミュレーションでも全力でトレーニングしてもらっています。
自分の知っている漫画家の方が言っていました。
「必要なのはリアリティーだよ!」
まさにその通りだと思います。

同じ1度のシミュレーションが、気持ちの持ち方次第で、効果が何倍も上がるとすると、その方が圧倒的にいいですよね?

2014年5月9日金曜日

ドクターヘリの説明書:シリーズ第1回 基本的な活動

多田です。

広島県ドクターヘリがスタートして1年を過ぎました。
初年度の11ヶ月間で、要請件数は480件、出動した事案は372件でした。そのうち、現場救急262件、転院搬送64件、出動後キャンセル46件でした。

滑り出しとしてはまずまずの件数ではと思っています。ただ、ニーズをきちんと拾い切れていない部分や、診療の内容などまだまだ洗練していかなくてはならないことが山積みです。

症例検討会などで、事後検証したり、それぞれの事案について簡単に消防本部さんとお話したりはありますが、やはり我々フライトスタッフと、要請していただく消防機関の方々の間に、まだドクターヘリに対する考え方、認識の違いがあることを感じております。
その、考え方・認識の違いは経験によりなくなっていくものと考えていますが、なるべく早く解決した方がいいですね。

幸い広島県は、ドクターヘリスタート以前より、消防防災ヘリコプターを使った、ドクターヘリ「的」事業を行っており、ヘリコプター救急に対する理解は得られていると感じています。しかし、専用機と汎用機の違い、ランデブーポイント・臨時離発着場の違い、要請基準の違いなど、専用機となりフットワークが軽くなった分、「的」の運用と変わった部分の考え方・認識の違いが難しいものと考えています。

(広島市消防局の「ひろしま」)

(広島県防災の「メイプル」)

自分はせっかく、広島県ドクターヘリに参加させていただいており、各地の消防の方々に多少は見ていただいているブログをさせてもらっていますので、ドクターヘリにできること」をパターンに分けて紹介させていただき、少しでも活動の支援をいただいている消防の方々に理解を深めていただけるよう、
「ドクターヘリの説明書」と題して、広島県ドクターヘリができることについて、勝手にご紹介させていただこうと思っています。

シリーズ第1回ですので、基本的な活動をご紹介します。

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傷病者が発生し、119番通報されます。

救急車が出動し、患者さんに接触します。

救急隊員の方が、「重症度が高い」または「緊急度が高い」と判断します。

救急隊員の方が、消防本部を通じて「ドクターヘリホットライン」に電話をして、ドクターヘリ要請します。

広島ヘリポートのドクターヘリホットラインが鳴り、CSさんが要請内容を聴取し、フライトスタッフはいち早く離陸の準備をし、準備が整い次第、離陸します。

(今年4月から広島ヘリポートに完成したこちらで活動しています)

要請内容をまとめた情報が、CSさんから無線でヘリに届きます。

設定されたランデブーポイントに近づくと、要請元の消防本部や患者さんを収容している救急隊、ランデブーポイントの警戒をしていただいている支援隊の方々と無線で交信ができるようになります。

本部とは支援隊・救急隊の動きの確認などを、支援隊の方々とは、離着陸に関する情報を、救急隊の方々とは、患者さんの状態に関する情報をそれぞれやりとりします。

ランデブーポイント到着までの機内では、考えられる患者さんの情報から、必要な道具・薬などの準備をします。

ランデブーポイント上空に到着後、支援隊の方々からの情報を元に着陸します。

着陸後、医療スタッフは降機し、到着している救急車内に移動し、患者さんの診察をします。

救急車内を、簡易の救急外来として使用させていただき、観察・検査・処置や治療を行い、患者さんの病態を安定化させます。そのため、モニターや酸素投与の継続は必須です。
(ランデブーポイントで並ぶ、救急車とドクターヘリと支援車)

診察の結果、患者さんの病態に合わせた搬送先病院を、選定し電話連絡します。

病状を電話でおはなしし、搬送が決定すればドクターヘリで搬送します。

患者さんを救急車のストレッチャーのまま、車外に降りてもらい、ヘリのストレッチャーに乗り換えます。

機内に搬入し、機内のモニターを装着し、酸素も機内の酸素に付け替えます。

準備ができたら離陸します。

搬送先病院のヘリポートに着陸し、エンジンを止めてから患者さんのストレッチャーを搬出します。

ヘリポートで患者さんを、病院のストレッチャーに移動し、申し送りを行い搬送先病院のスタッフにお願いし、ヘリコプターで広島ヘリポートへ帰投します。
(搬送後、帰投の様子です)

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以上が、広島県ドクターヘリの基本的な活動です。
多少はイメージがわきましたでしょうか?
それぞれの部分に、バリエーションがあり、その都度、もっとも適切と思われる活動をしていますので、今後はそのバリエーションについてご紹介させていただこうと思っていますので、こうご期待!!

2014年5月4日日曜日

3県にまたがる転院搬送

多田です。

昨年度のことですが、ヘリ当番の際、島根県西部の病院から、脳血管障害の患者さんの転院搬送依頼がありました。
転院先は、山口県東部の病院です。
病院直近の中学校グランドに着陸し、救急車で転院元の病院へ

(授業中にお邪魔しました)
救急外来にお邪魔して、患者さんを診察させていただきました。
病院スタッフの方々が、搬送に関する準備をきちんと済ませていただいていましたので、自分はなにもすることなくただ、付き添って搬送するだけですみました。


転院先の病院でも、担当科の先生が出迎えてくださって、救急外来で引き継ぎの後、広島ヘリポートへ帰投しました。

(搬送先病院のヘリポートです)

「広島県のドクターヘリが、島根県の病院から、山口県の病院へ患者さんを搬送する。」
中国5県の県知事さんたちの、5県連合が確実に効果を発揮しています!