2013年8月30日金曜日

3次救急外来のリニューアル

多田です。

先日、救急外来全体の拡張工事については記事にさせていただいていたと思います。
その様子はこちらです。
3次救急外来もスペースが広くなり、活動しやすくなったはずなのですが・・・


レイアウトが以前の救急外来とほとんど変わっていなかったため、なかなかその広いスペースをいかし切れていませんでした。
この日の救急外来担当看護師とフライトナース達が、よりよいレイアウトを考えてくれてリニューアルとなりました。

(ここからさらにリニューアルされています)

結局、1日仕事だったようです。お疲れ様でした。
医師・看護師の動線を考えたレイアウトになっており、すごく使いやすくなっていると思います。
(念願の小児救急カートです)

2013年8月27日火曜日

真夏に長袖・・・

多田です。

ドクターヘリ当番の日には、医療クルーはおそろいのフライトスーツを着て、要請に備えます。

(病院は違っても、フライトスーツは一緒です)

ドクターヘリ用にデザインされた、このフライトスーツは多機能で、ポケットがたくさんあったり、マジックテープでワッペンがつけられたり、聴診器を止めるボタンがあったり、暗い場所での安全を確保するために反射材がつけられたりしています。

そんな多機能なフライトスーツですが、袖の部分にファスナーがついており、半袖に変更することができます。

(右手が半袖、左手が長袖です)
ステッキーフィンガーズにやられたわけではありません)

現場で活動する上では、安全のため長袖の方が好ましいのですが、

半袖の方が動きやすく、作業がスムーズにできるというメリットがあります。
今のところ、それぞれのスタッフの好みで、決まっています。

自分は長袖のまますごそうと思っており、暑い夏を乗り切れるか、今が「やせ我慢」のしどころです。

2013年8月24日土曜日

爆破予告! DMAT出動

多田です。

先日、広島市内のある病院に「爆破予告」がありました。
病院のスタッフの方々、警察・消防の方々の必死の活動で、近隣高等学校への入院患者さんの避難と、近隣住民の方の避難がなされたそうです。
結局、警察による捜索で、爆発物は確認されなかったため、悪質ないたずらだったと判断され自体は収束しました。
結果、被害者や爆発は起こらなかったのでよかったのですが・・・

当日、当院の総合診療科に「爆破予告」の病院から紹介転院の患者さんが搬送されてきました。搬送時に、上記の状態を聞いた救急外来スタッフから、救命救急センター・センター長へ連絡があり、消防へ確認。事態は収束傾向ということでしたが、重症者もいるということで、DMAT隊員であるセンター長以下、看護師2名で出動しました。
避難している重症患者さんを全員診察し、事態の収束を確認してから帰院となりました。

(帰院直後のDMAT隊)

先日、福知山での爆発事故に関して、当ブログとリンクを貼っていただいている、「但馬救命救急センター」の活動が教科書のようにすばらしいことに感動し、自分たちも頑張らなくてはと再確認した直後のできごとでしたので、余計に「できてないことが多いこと」「災害であるという、スイッチがなかなか入らなかったこと」などなど、問題が浮き彫りになりました。

但馬救命救急センターのすばらしい活動はこちらです。

局地災害は時間が勝負!
普段から、起こったらなにをしなければいけないか、きちんと整理しておく必要があると再確認しました。

2013年8月22日木曜日

救急外来シミュレーション

多田です。

先日、当センターが珍しくゆったりした時間が流れていた日に、実際の救急外来と、シミュレーターを使って、救急外来のシミュレーションが行われました。

研修にきていただいている、自衛隊の救急救命士さんや、来年度からおそらく当院で研修医をスタートさせてくれるだろう見学の学生さんまで巻き込んでのシミュレーションでした。8月から救命救急センターで研修スタートする、2年目研修医のK先生もオリエンテーションからの流れでプレイヤーとして活躍しました。

(建設的な振り返りがなされています)

実際の患者さんで経験を積むことも大事ですが、それに近い知識と経験はシミュレーションで得られます。



特にセンターに運ばれてくる患者さんは、重症だったり緊急度が高い患者さん達ばかりなので、ぶっつけ本番で失敗するわけにいきません。そのためのシミュレーションを、日々続けています。

やはり日々の積み重ねは大事ですね。

2013年8月19日月曜日

骨盤創外固定セミナー

多田です。

先日、「骨盤創外固定セミナー」に参加しました。
骨盤の創外固定は、骨盤骨折に対する治療の一つで、体の外からピンを打ち込み、そのピンを外側から器具を使って固定し骨折した骨盤を安定化させます。
骨折部の固定がされて、骨折部からの、出血量の減少が見込める治療です。


骨盤骨折による、出血性ショックの患者さんに対しては、救命処置の一つです。
ひどい怪我の患者さんの場合には、「生命をつなぐ」ために待ったなしのタイミングで、止血術を行わなくてはなりません。


安全にそして確実に、止血ができるよう、模擬骨をつかってトレーニングさせていただきました。

(佐伯先生と2人の共同作業でした)

近い将来、当科でも安全に施行できるように準備をしていこうと思っています。

2013年8月17日土曜日

緊急地震速報

多田です。

先日2013/8/8の緊急地震速報、みなさんのところにも届きましたでしょうか?
幸い、当初に表示された「震度6弱」ではなく、小さな地震だったようで安心しました。

自分は地震に関する考え方が、この仕事をする前までと、仕事を始めてからではがらっと変わりました。

DMAT隊員のトレーニングを受けさせていただいたため、「自動待機基準」を満たすかどうか、自分が被災地に出動する可能性があるかどうかを考えるようになったことが一つです。
日本DMAT隊員は、地震の際、「東京都 23 区で震度5強以上の地震が発生した場合」「その他の地域で震度6弱以上の地震が発生した場合」など、DMAT隊員として活動する可能性が高い事案が発生した場合、出動に備えて待機する必要があります。

(東日本大震災の出動時です)

また、もう一つは過大評価に対する考え方です。
救急医を始める前の自分だったとすれば、「なーんだ。間違いか、びっくりさせないで欲しい。」と少し怒っていたでしょうが、今は違います。
救急の現場でも、災害の現場でも、助けられる命を助けるためには、空振りがある程度必要なことは日々の診療で思い知らされています。また、緊急時にしっかり活動するためには、日頃の準備が不可欠であることも身にしみてわかっています。
だからこそ、今回の地震速報は、いい機会だと思いました。


(東日本大震災の出動時です)

地震に関する技術のさらなる進歩は必要ですが、「オーバートリアージ容認」の考え方を、医療現場だけでなく広めて行くことができたらいいなと思いました。

2013年8月15日木曜日

長野県立こども病院PICU

多田です。

新しいリンク先のご紹介です。



「長野県立こども病院PICU」は、自分が以前2年間、小児集中治療をみっちり教えていただいた施設です。
(とんがり屋根のかわいい建物です)

長野県は、小児医療に関して、先進的な県で、「こども病院」はその象徴的な病院です。
県内の最重症患者さんは、こども病院へ搬送され治療を受け、状態がよくなれば、地域の病院へ転院し治療を続けられるというシステムがしっかり稼働しています。
院内・院外の患者さんを問わず、小児集中治療を行っているICU、いわゆるPICUは全国でも指折り数える程度しかなく、非常に勉強になりました。

(向かって左の編集長とは師弟関係です)

広島県にも同様な、PICUを作ればいいのかもしれませんが、そのためには、大きな人の動きと、大きなお金の動き、政治的な動きが必要です。
無い物ねだりのままでは、何も先に進みませんので、自分は「PICU」で学んだ者として、広島県で小児集中治療をやっていく方法を模索しました。
結果、主に成人を診療している「救命救急センター」に所属し、時折搬送されてくる小児を集中して診療させていただくことで、少しでもPICUでの医療に近づけることができたらと日々精進しています。

楽しいブログもやっていらっしゃいますので、是非一度ご覧ください。

2013年8月11日日曜日

2013年7月の広島県ドクターヘリはどうだったでしょうか?

多田です。

ちょっと遅くなってしまいましたが、2013/7月の「広島県ドクターヘリ」の運航状況が発表されました。(遅くなったのは、発表が原因ではなく自分の怠慢です・・・)
広島県のHPに詳細はアップされています。


<7月の運航状況>
要請件数:28件
出動件数:20件
うち現場救急:16件
  施設間搬送:1件
  出動後キャンセル:3件
でした。
・・・・・

広島県内の消防のみなさーん!
明らかに要請件数が減っていますよー。
ヘリポートで無線を聞いていると、キーワードに引っかかる事案なのに、要請がないことが・・・
「覚知要請」でいいはずの事案が、救急隊「現着後の要請」になっている事案も・・・


そして、特筆すべきは、島根県からの要請が広島県からの要請に、肉薄するぐらいあるところです。島根県はドクターヘリの先輩「県」であります。
その経験年数は、「要請のタイミングを遅らせない」、「躊躇なく要請する」という姿勢に、しっかり現れています。
先輩県のドクターヘリ運用は、見習うべきところがたくさんあります。
(写真と本文は無関係です。)

2013年8月8日木曜日

松山空港でランデブー

多田です。

先日、ドクターヘリの当番日に高知県から広島県への転院搬送がありました。
長距離ですので、「高知県ドクターヘリ」が患者さんを、愛媛県の松山空港まで搬送し、「広島県ドクターヘリ」が松山空港までその患者さんを迎えに行き広島県内の病院へ搬送するというミッションでした。

(松山市内が一望できました)

優秀なCSさんの的確な事前調整により、ちょっと早く松山空港に到着し、高知県ドクターヘリを待ちました。
「高知県ドクターヘリ」と言えば、機体に「アンパンマン」「メロンパンナちゃん」が書いてあることで有名です。

(アンパンマン!)

我々が到着後、10分程度で「高知県ドクターヘリ」が飛来し、問題なく患者さんを引き継ぎ、広島に戻りました。
(初めてのドクターヘリ2ショット)

「広島県ドクターヘリ」にとっては、初めて他県のドクターヘリと一緒にこなしたミッションだと思います。

これからも、隣県・近隣県のドクターヘリだけでなく、消防・防災ヘリなど、他のヘリコプターとうまく連携をとって、患者さんにとっていい結果が出せるようなミッションをこなしていきたいと思っています。

2013年8月5日月曜日

県民だより

多田です。

先日、広島ヘリポートにカメラマンの方達がいらっしゃいました。
広島県の広報誌「県民だより」で、ドクターヘリを紹介するための写真を撮るのが目的でした。
元々は、別の日付が設定されていたのですが、梅雨時期でしたので、天気が悪く順延となっていました。
たまたま、自分の当番日に撮影がずれて、恥ずかしい写真撮影となりました。



2013/8/1に、広島県内の新聞朝刊折り込みされ、広島県のHPでも見ていただくことができます。ドクターヘリに関する記載は、表紙のみですが大きな写真です。

県民のみなさんに興味をもっていただき、ご協力いただけるきっかけになれば、全員で恥ずかしさを我慢したことが報われます。

離着陸時、着陸中などの安全運航に引き続きご協力よろしくお願いします。

2013年8月2日金曜日

ドクターヘリ?

多田です。

先日、ドクターヘリの当番日に広島ヘリポートで首を長くして要請を待っていたところ・・・
なにやら見たことあるようなカラーリングヘリコプターが。

(どこかで見たことあるような、ないような)

EC135で「広島県ドクターヘリ」と同じ機種ですが、なにやらちょっと違うところが・・・
白い機体に、赤い斜線のカラーリングまでは一緒ですが、「Doctor Heli」の青いカラーリングがありません。
CSさん、機長さん、整備士さんもなにやらざわつきます。
優秀なCSさんのすばやいリサーチにより、すぐに真相がわかりました!
他県の救急ヘリコプターの代替機の様です。

ドクターヘリをはじめとする、救急用ヘリコプターは、機体の整備があるからといって運休するわけにいきません。そのため、点検などで普段使用している機体が使用できない場合には、運航会社さんが持っている別の機体を使って、救急業務を行います。
おそらく今回は、「その代替機だろう」という結論に達しました。

(兄弟のようです)

こうやって、「絶え間ない」ヘリコプター救急医療が支えられているんだなと感じました。