2013年10月23日水曜日

救命救急センターからみる新生児の迎えヘリ搬送

多田です。

当、県立広島病院の「新生児科」は新生児の迎え搬送を行っている、県内でも数少ない施設です。救急車での迎え搬送だけでなく、消防・防災ヘリを使った迎え搬送も10年以上前から行っています。
(搬送用保育器です)

実は、当院新生児科のOBである自分の、人生発ヘリコプターは新生児の迎え搬送でした。
研修医2年目で、右も左もわからない状態で、上級医と一緒に備北の医療機関へ向かい、日没間際のため急いで活動が必要だったことを今でも思い出します。

(救命救急センターから飛来する広島市消防ヘリが見えます)

先日のHEM-netシンポジウムでは、ドクターヘリのミッションの多様化が各地で行われており、地域医療・周産期医療・小児医療に対する出動も各地で徐々に増えつつあることが報告されました。
広島県はヘリコプターでの新生児迎え搬送の歴史は古く、ドクターヘリ導入に際しても、当然新生児の迎え搬送も考慮しました。しかし、大きなシステムを立ち上げる際に、余計に一手間かかるミッションでしたので、ドクターヘリの運航がこなれてきてから再考することにし、基本的には消防防災ヘリでの出動という位置づけにしました。

(屋上ヘリポートに着陸する広島市消防ヘリです)

しかし、消防・防災ヘリコプターには、運休期間があること、要請から出動までの時間が、ドクターヘリに比べると圧倒的に遅いことなど、ドクターヘリでの迎え搬送のメリットも明らかになってきました。
現在、「ドクターヘリでの新生児迎え搬送」を実現するべく、院内・県内・スタッフ内の調整と、装備品の調整など行っています。

救急も、新生児も知っている人間だからこそ介入できる部分だと思います。


大人も、こどもも、新生児も同じ1人の傷病者です。
平等に広島県ドクターヘリの恩恵を受けられるようになればいいなと思っています。

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