2017年1月19日木曜日

明けましておめでとうございます。

多田です。

毎年、救急医として休みのない年末年始を過ごしますが、今回は特別忙しかった印象です。
1月も半分を過ぎてしまいましたが、2017年も県立広島病院救命救急センターと、広島県ドクターヘリをよろしくお願いします。

広島市は、年明けから約30年ぶりとなる大雪に見舞われました。


広島県人の多くは雪に慣れていないため、各地でスリップ事故が起こり、10台以上が関わる高速道路の事故も起きました。幸い重症な患者さんはいらっしゃらなかったので、当院は情報共有と軽症患者さんの診察で事案は終了しました。

そして今年も早速、年明けから局地災害対応の訓練に行ってきました。
今回は旅客船事故を想定した訓練で、海上保安庁・広島市消防局・広島市・広島県警・日本赤十字広島県支部・県立広島病院と複数の機関が集まった訓練になりました。
(防寒対策はばっちりです)

(1万トンバースの象徴・パラダイスの塔)

高速旅客船が岸壁に衝突し、40名程度の傷病者が発生したという想定で訓練が行われました。
海上保安庁の巡視艇と、広島市消防局の救急艇が旅客船に横付けし船内に進入。
協働してトリアージを行い、重症患者さんから岸壁の救護所に搬送となります。

医療班は、日赤救護班が立ち上げてくださったDeRUと呼ばれる救護テントと簡易ベッドを使い、日赤・病院合同で救護所を運営します。
患者さんの出入りの管理・診療するメンバーの選定・搬送順位の決定など行いました。


(災害対応するすべての職種が協働します)

海上保安庁・消防・県警・赤十字・病院とそれぞれが、最大多数の患者さんを救命するために活動しました。
これだけたくさんの職種が同じ目標に向かって活動できることは非常にうれしいことです。
訓練の後、振り返りの会が行われ各機関からそれぞれが「できたこと」「反省点」を挙げ、みんなで改善方法を検討しました。
普段から接点の多い機関同士は、共通認識と共通理解が得られる部分が多いのですが、なかなか接点が少ない機関同士はお互いのことを理解するのが難しく、災害現場では混乱することが多いです。その共通理解を得ることも訓練の大きな目的の1つでした。

非常に有意義で、次に繋がる訓練だったと思います。
車に乗っていようと、船に乗っていようとも傷病者は傷病者です。
同じように救命できるよう、これからも訓練を続けて行かなくてはいけません。

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