2015年3月19日木曜日

妄想出動シリーズ:第1回 脳血管障害疑い(後編)

妄想出動シリーズ:第1回 脳血管障害疑い 後編です。
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救急車内で患者さんと接触した、フライトドクターは、救急医としての基本、ABCDをすばやくチェックします。

気道は通っているか?
呼吸状態はどうか?
心臓は十分血液を送り出せているかどうか?
意識の状態と麻痺や瞳孔の異常はないか?

そして、治療に必要な点滴をとり、同時に血糖測定をします。
低血糖による意識障害や、麻痺でないことを確認し、気道・呼吸に問題がなければ搬送先病院を選定します。

脳梗塞を疑い、発症から時間が経っていなければ、血栓溶解療法の適応になることがあります。
ドクターヘリのスピードが生かされる事案です。
血栓溶解療法のできる病院へ連絡し、収容依頼。

その間、フライトナースは患者さんの情報を収集します。
いつから、どのような症状なのか?
患者さんはなにを訴えていたのか?
最後に食事を食べたのはいつか?
今までにかかった病気や、治療中の病気はないか?
アレルギーはないか?
など、患者さんの病気に関する内容だけでなく、
ご家族が現場にいるのか?
ご家族の連絡先の電話番号は?
患者さんの持ち物は、だれが管理するのか?
など、フライトナースの現場での仕事は非常に大変です。

搬送先病院が決まれば、運行スタッフに搬送先を伝え、運行スタッフは離陸の準備をします。
医療スタッフは、消防の方々と救急車のストレッチャーから、ヘリのストレッチャーへ患者さんの移動をし、ヘリ機内に収容します。

機内で患者さんのモニターをつけて、医療スタッフ全員がシートベルトとヘッドセットをつけ、ドアロックを確認して離陸です。
離陸の際も、飛散物・障害物・危険な場所にいる人など医療スタッフも確認します。

搬送先病院への到着時刻は、CSさんから連絡してもらいます。
搬送中は、機内でもモニターを装着するだけでなく、フライトドクター・フライトナースが患者さんから目を離しません。
(橋本Ns)

(O川Ns)

数分間のフライトの後、搬送先病院のヘリポートへ着陸。
(病院屋上)

メインローター停止後に、 降機し患者さんのストレッチャーとともに、搬送先病院の先生と移動しながら病状について申し送りをします。
搬送先病院のストレッチャーに、患者さんを乗せかえて搬送は終了です。
必要な申し送りの後、ヘリに戻り、次の事案に備えて広島ヘリポートへ帰投します。

(事案が終了してほっと一息です)

ヘリポートに帰ると、事案のカルテを書き、フライトナースは使用した物品の整理をし、機長・整備士さんはいつ次の要請があってもいいように、給油や機体の整備をします。

(一部の写真提供は、神戸の航空機好き女子のお二人です。ありがとうございます。)

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以上が、「脳血管障害」事案に対する妄想出動です。
なんとなく、イメージわきましたでしょうか?
可能な限り、シリーズを続けて行きたいと思っていますので、あせらずお付き合いください。

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