2013年11月30日土曜日

広島文化学園大学でのトリアージ訓練

多田です。

2013/11/14は、呉市阿賀にある、広島文化学園大学での呉市消防との合同トリアージ訓練に参加してきました。
傷病者役の40名の学生さん達と、呉市消防の指揮隊・救助隊・救急隊の方々と

(たくさんの消防車両が集まりました)

傷病者役以外のたくさんの学生さん達とが参加して、地震による建物の倒壊を想定した訓練でした。
(たくさんの参加者で、画面に入りきりません)

現場の傷病者集積所では、START法による1次トリアージが、
現場救護所では、さらに詳しい2次トリアージがなされ、傷病者が赤・黄・緑・黒とタグ付けされました。
(赤エリア)

(黄エリア)

ドクターヘリは大学のグランドに着陸し、医療スタッフはは、現場救護所に入り傷病者の情報を集めて重症度・緊急度に合わせて、処置と搬送のマネージメントをさせていただきました。
(大学のグランドにたたずむドクターヘリ)

短時間の訓練でしたので、内容が「ギュッ」と凝縮した訓練でした。

訓練のあと、4年生の学生さん達に、ドクターヘリの意味
「一刻も早く医療者を傷病者に接触させること」を説明させていただきました。
その後、短い時間でしたが、ドクターヘリの機体も見学していただきました。

訓練終了後に、大学の学生さんから「いつもブログ見てます。」と声をかけていただき、うれしかったです。将来、救急関係の仕事につきたいと言ってくれる、頼もしい学生さんでした。将来一緒に働くことができればいいですね。

広島文化学園大学では、毎年繰り返し、こういったトリアージの訓練をされているようです。
「普段やっていないことは、本番で絶対にできない」はずです。
実災害の時には、この訓練が生きてくるはずです。
これからも、継続していただければと思います。

2013年11月27日水曜日

インフルエンザの予防接種

多田です。

毎年この時期になると、インフルエンザの流行が気になります。
年によって、流行する型が違ったり、流行する時期が早かったり遅かったり・・・

我々、医療者は病気や、怪我の患者さんを診療するのが仕事ですから、他の仕事の方と比べて、インフルエンザをはじめとした、ウイルス感染症への感染リスクが高くなります。
そのため、予防接種して、予防できる感染症は、基本的にすべて予防接種をしています。
数年に1度の接種でいい感染症もありますが、インフルエンザのように毎年接種が必要な感染症もあります。
この時期は、インフルエンザ流行に備えて、ワクチン接種を院内で行っています。
きちんと、問診して、きちんと診察して、体調の悪いスタッフはよくなってから接種しています。
(痛そうな演技が上手なN看護師)

(予防接種なんて楽勝なN先生)

医療者の義務として、患者さんの診療をするためには自分が健康でなくてはいけませんからね。
また、時には患者さんの気持ちになって、注射の痛みを経験することも大事です!

2013年11月23日土曜日

瀬戸内海の多島美

多田です。

突然ですが、今フジテレビで放送されている、「海の上の診療所」ごらんになってますか?

瀬戸内海の島々を回る、病院船での出来事をモデルにしたドラマです。
毎回、主人公で病院船の医師「瀬崎航太=松田翔太さん」が、瀬戸内海の島に診療に行き、それぞれの島で出会うマドンナに恋をするドラマです。


毎話、実在する瀬戸内海の島でロケをしているようです。
ドラマの中では、瀬戸内海とそこに浮かぶ島々で作られる、「多島美」が描写されており、島出身の自分でもやっぱりきれいだなーと思って毎回見ています。



広島県ドクターヘリも、山間部だけでなく、島嶼部にも出動します。
その際、患者さんに接触するまでは、あまり気になりませんが、患者さんを病院へ搬送後などの時には、瀬戸内海の美しい景色が窓から見えます。
天気がよければ、愛媛県まで見えます。


しかし、瀬戸内海にはたくさん島があって、すべての島に橋が架かっているわけではなく、ドクターヘリの必要性を感じる場面でもあります。

美しい、島々での暮らしを医療の面でバックアップできるよう、頑張っていきたいと思います。

2013年11月20日水曜日

救助が必要な、救急事案

多田です。

先日、自分が病院の責任者だった日に、当院よりほど近い有名な観光地のあるところの救急隊からホットラインがなりました。
「○○山山頂付近で、ハチに刺された観光客がアナフィラキシーショックです。」
!!
アナフィラキシーショックは急激に進行するアレルギー反応で、生命の危険があるもので、アドレナリン投与までの時間との戦いです。
こちらも「スイッチ」入りました!
それにても、??。
アナフィラキシーショックなら、ドクターヘリ要請ですね。
ただ、比較的高い山の山頂付近ということで、救助事案でもあります。
患者さんのつり上げ救助が必要です。

広島ヘリポートへ、確認したところ、広島県ドクターヘリは別事案で出動中です。
また、ドクターヘリは患者さんのつり上げ救助はできません。

広島県防災ヘリコプター「メイプル」が出動してくれることになりました。
しかし、できれば早くアナフィラキシーの治療が開始したい。

広島県内の消防・防災ヘリの出動要請を一手に引き受けていただいている、広島市消防指令に連絡し、なんとか早く患者さんに接触する方法を考えて欲しいとお願いしました。

各部署のメンバーが同じ目標に向かって、それぞれできることを探します。
「一刻も早く、患者さんの治療を開始すること」

(別事案の写真です)
(ヘリコプターのローターが曲がっている訳ではありません)

各部署での検討の結果、広島県防災ヘリに、医師1名を乗せて現場に出動。
つり上げ救助ののち、機内で治療を行う。という方針となり、当院屋上で自分をピックアップしていただき、現場に向かいました。

患者さんが、救助されるまでは自分に仕事はありません。おとなしく、シートベルトをつけて、座席に座っておりました。
現場上空では、左右ともドアが開放され、吹きさらしの上空での活動が行われました。
テレビなどでよく見る、レスキューの現場に、半分緊張・半分興奮しつつ、患者さんのが救助されるのを待っていました。


隊員の方が、ホイストで降下し、患者さんに接触。
その間、ヘリは少し現場を離れた場所に移動して待機。
患者さんのつり上げ準備ができ次第、現場上空に戻り隊員さんと一緒に患者さんがつり上げられました。
隊員の方々の流れるような活動を、見とれるように見てしまいました。

つり上げられた患者さんは、ショック状態が続いており、機内に収容されてドアがしまったあと、アナフィラキシーの治療薬である、アドレナリンを服の上から筋肉注射しました。
通常のドクターヘリでの活動であれば、救急車内や機内で、さらに点滴をとったりするのですが、当院まで空路で約3分の距離でしたので、そのまま搬送となりました。
治療の制約はありましたが、当初の目的であった、「一刻も早く、治療を開始する」ことは達成できました。
幸い、患者さんも病院到着の頃には、状態改善し始めており、「間に合ってよかった」と胸をなで下ろしました。

(別事案の写真です)

今まで、つり上げ救助のヘリに、医療スタッフが乗って出動したことはなかったそうです。お互いが歩み寄ることで、達成できることがまだまだたくさんありそうです。
同じ目標に向かっている同志ですから、必ずわかり合えると思って、これからも一緒に活動できたらなと思いました。
広島県防災航空隊のみなさん、ありがとうございました。
またよろしくお願いします。

2013年11月16日土曜日

シップチェンジ

多田です。

広島県ドクターヘリは、2013年5月からスタートしました。
機体は「JA124D」 
(車で言うナンバーです)

ヘリコプターには、車の車検と同様に、対空検査という検査があります。
1年に1回、検査が必要になります。
新車(?)として導入された、JA124Dも同様です。
ただ、検査の間、フライトができないからといって、運休してしまう様では、ドクターヘリのメリットがなくなってしまいます。
そこで、運航会社である、中日本航空さんが同機種の機体を用意してくれて、検査の期間運航します。車検の時の、代車のイメージですね。

2013/11/13よりしばらくの間、「JA124D」に変わって、「JA114D」が広島県ドクターヘリの機体として働いてくれます。




124Dと比べて微妙な違いがありますが、我々の活動に関しては何の変更もなくできる状態にしていただいています。
先日の訓練では、「もみじのマークがありませんね。」と鋭い指摘をしていただき、シップチェンジのお話をさせていただきました。

しばらくの間、「JA114D」でみなさんの要請にお答えしますので、よろしくお願いします。

2013年11月12日火曜日

第1回初期研修医対象人工呼吸セミナー

救急科の佐伯です.

2回目の投稿です.

先日,初期研修医対象人工呼吸セミナーを行いました.

最初は戸惑う人工呼吸器

まず概論の講義を行いました.

次に実際に人工呼吸器を「触って,吸って,いじってみる」みてもらいました.

間に集中治療専門の看護師さんによる人工呼吸中の看護についてもみっちり

始まりは,不安そうだった研修医の先生も使っているうちに慣れてきました(^^)

救急科はこんなことも行ってます.




2013年11月11日月曜日

テーマソング

多田です。

出勤時に音楽を聴きながら出勤される方は多いと思います。
自分たちはドクターヘリ当番日には、一旦広島大学病院へ出勤し、そこからタクシーで広島ヘリポートへ向かいます。
自分は大学病院へ向かう車では、毎回必ずMr.childrenの「HANABI」


と、Kokuaの「Progress」を聴きながら出勤します。


仕事に向けてテンションが上がる2曲です。
「ハートは熱く!、仕事はクール」にいきたいですね。

2013年11月6日水曜日

ICLS受講

多田です。

先日、遅ればせながら「ICLS」コースを受講しました。
ICLSコースとは・・・


<医療従事者のための蘇生トレーニングコースで、特に「突然の心停止に対する最初の10分間の対応と適切なチーム蘇生」を習得することが目標のコースです。>
(くわしくはこちらをご覧ください)

救急科で仕事をしながら、なかなかこのコースを受講する機会がなく、いつもコースの日はお留守番でしたので、今回は早い時期から予定を立ててやっと参加することができました。

「心停止に対する最初の10分間の対応と適切なチーム蘇生」
自分達、救急科が日常的にやっている仕事の内容でしたので、まったく緊張することなくコースを迎え、終了しました。




チームビルディングをいかにうまくやるかをメインテーマとして、コースを受けました。

次は、インストラクターを目指します!

2013年11月3日日曜日

情報の伝え方(MSIT実践)

多田です。

昨年、「病院への患者さんの情報の伝え方」について投稿しました。
(その内容はこちら
実際、自分で病院前にでるようになると、やはり病院への情報伝達は大事で難しいと感じます。
話したいことを、先に話してしまい、系統だった話し方ができなくなってしまうと、聴いている方は聴きにくくなってしまいます。

今、ドクターヘリ当番日は、ドクターシートの前にあんちょこをおいて、それに沿って無線連絡するようにしています。

千葉北総病院で研修中は手書きだった、情報伝達の順番を書いたあんちょこを清書しただけですが、
(研修中の手書きバージョンです)

自分の頭の中でも話すことの整理ができて有用です。

(現在使用中の清書バージョン)

聞く側の気持ちからすると、いわゆるMISTの順番ではなく、MSITの順番の方が聞きやすいことが多く、自分はMSITの順番で話すようにしています。
(MIST・MSITについてもこちらをご覧ください。)

同じ情報を伝えるのに、順番だけでこんなにも相手に与える印象が違うのかと思うほど、話し方って大事だなと日々思っています。