現在、当院から4人目のフライトナースを輩出するべく、動いています。
選ばれたのは、先日、当ブログに初登場しましたが、橋本看護師です。
フライトナースとしての研修は我々、当院フライトスタッフのほとんどがお世話になった、日本医科大学千葉北総病院でお願いしました。
当院の院長のお力で、HEM-netの研修と同様のフライトナース研修を2週間許可していただきました。(そのときの模様はこちら)
北総病院では、たくさんの先輩フライトナース、フライトドクターのみなさん、運行クルーのみなさんのご協力で、実りのある研修をさせていただいたことは、前回の投稿で橋本自身がみなさんにご報告させていただいたと思います。
2014年12月に入り、OJT(On the job training)ナースとして、広島県ドクターヘリでの研修が始まりました。
初めての当番日には、緊張した一日を過ごしたにも関わらず、要請がなく、しょんぼり帰宅したようです。
先日、多田とO川ナースの搭乗日に、2度目のOJTとなりました。
早朝の広島大学病院集合時から、緊張感が伝わってきましたが、あいにくの雨模様でしたので、午前中のフライトは絶望的でした。
集合して物品の管理の段階から、先輩のO川ナースから丁寧な指導を受け、ヘリポートについてからも、その指導は続いておりました。
ブリーフィングをすませた、8:30頃、ホットラインがなりました。
「胸痛」患者さんのヘリ要請でしたが、残念ながら天候不良でキャンセルとなりました。
その後、午後になり天候は回復傾向となりましたが、要請はありませんでした。
ヘリポート内のオリエンテーションを受け、要請を待っている間に、せっかくだから患者さんの要請があったと想定し、シミュレーションをしました。
どんなシミュレーションをしたかは、後日、「妄想出動シリーズ」という新シリーズでご紹介します。
シミュレーションで確認するべき点を、たくさん確認し要請を待ちました。
「あーあ、2回目のOJTも要請なかったなー」と油断したそのときです。
ホットラインが鳴ります!
島嶼部の消防からの要請です。
「軽自動車の横転事故、傷病者2名で詳細不明」
いきなりの、複数傷病者事案です。
重症者2名であった場合を考えて、薬剤・輸液・医療機材を2名分持ち出します。
ヘリまでダッシュで向かい、飛び乗ります。
シートベルトと、ドアロックを確認後、現場に向けて離陸します。
現場の救急隊とは、無線がつながりにくく、さらなる患者さんの情報はほとんど入ってきません。
さらに、患者さん2名はまだ現場で救助作業中とのことで、現場まで支援車両での送り込みをお願いします。
安全確保していただいた、ランデブーポイントへ着陸し、支援車両で事故現場に向かいます。
現場に行くときは、ヘルメットは必須です。
現場についたら、後方の安全確認の後、降車します。(先日、豊岡病院で習ってきました。)
現場には、バックボード固定され、ストレッチャーにのせられた患者さんと、スクープストレッチャーにのせられた患者さんとの2名が救助されたばかりです。
救急隊の判断で、男性の患者さんの方が、より重症と判断されており、先に救急車に収容し診察します。
また、同時にO川ナースに、より軽症と考えられる女性を診察してもらいます。
救急車内で、男性の外傷初期診療を行い、頸髄損傷の疑いがあります。
遅れてきた2台目の救急車に収容された女性も同様に、初期診療を行い、手の骨折のみと判断できましたので、日没の関係もあり、救急隊のみで近医へ陸路搬送としていただきます。
男性は救急車でランデブーポイントへ向かい、ヘリで当院へ搬送となります。
男性を当院へ ヘリ搬送中、患者さんの容態チェックや、病院での申し送り事項の確認など準備します。
病院の屋上ヘリポートに到着すれば、そこには見慣れた仲間達の姿が。
ヘリポートから屋上階へのエレベーターに乗りつつ、時間を短縮するために申し送りをします。
病院のストレッチャーへ移動し、モニター装着を確認。問題ないことを確認しその後の診療を病院スタッフへお願いし、ミッションは終了します。
(ミッション終了後の当院屋上へリポートです)
(記録中です)
(3人そろって出動1 件目の1)
橋本看護師のOJT初出動は、「複数傷病者事案」といういきなりの応用問題で、
緊張と、ヘリ酔いと、興奮で汗だくでしたが、そつなく業務をこなしてくれました。
これから、出動を繰り返してフライトナースとしてさらに成長していきますので、みなさんよろしくお願いします。
0 件のコメント:
コメントを投稿