2015年10月9日金曜日

昨日(2015/10/08)の広島市での火災への当院での対応について

多田です。

昨日、(2015/10/08)広島市で、複数傷病者のでる火災がありました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、お怪我をされた方々の一刻も早い回復を願っております。

自分は、たまたま、昨日は救命救急当直でしたので、当院の対応を備忘録として記載しておきます。
------------------------------
2015/10/08の日勤帯は、骨盤骨折による出血性ショックの患者さんに対して、動脈塞栓術・創外固定術を行ったりと、比較的忙しい時間帯を過ごしました。
当直帯になって、落ち着いた救命救急センターで、研修医の先生・研修中の救急救命士、その卵の学生さんと「わいわい」晩ご飯をたべました。
その後、救命救急の勉強目的に、「コードブルー セカンドシーズン」のDVDを見ていた時、3次救急のホットラインが鳴りました。
通常は、現場の救急隊の方から、重症な状態の患者さんの、収容依頼の電話がかかってくるのですが、昨日は「広島市消防局通信指令室」からでした。

「流川(広島市の繁華街)で、複数傷病者の火災が発生している。受け入れ可能人数の確認をしたい」という電話でした。
救命救急センターは3床以上空きがありましたので、受け入れ可能人数を返答しました。
さらに、現場派遣の必要性を聞き、広島大学病院から医師派遣ができそうであるという情報がありました。

どこかで、出会ったことがあるような、当直中の出来事でした。
(以前の似たような当直中の出来事はこちらです。)

昨年の広島市土砂災害の夜と同様の、なにか胸騒ぎのする情報でした。
昨年の土砂災害前後から、院内のDMAT隊員・救命救急センターのスタッフ・病院職員全体で、局地災害への対応を検討し続けておりました。
「局地災害対応のスイッチは早く押す!!」
ことを目的に、DMAT隊員の連絡用のLINEで、不確実でしたが情報提供行いました。
病院実習に来ていた、広島市消防局の救急救命士さんが、同僚に電話をかけてくれて、普段あまりない数の、消防車・救急車の出動要請がされているという情報がはいりました。
自分は、最初の情報収集の10分後には、DMAT隊員の全員招集を決定し、LINEで送信しました。
直後から、救命救急センターへ参集を始めた、隊員からメッセージが入りはじめ徐々に、人数が増えていきました。

その間、病院では現場の救急隊から熱傷の患者さんの受け入れ要請があり、事案による傷病者の全体像も把握していただきました。
最初の情報では、「黒1、黄2緑1の情報で、そのうち黄の傷病者が1名搬送されることになりました。

一緒に当直していた、島根大学から当院で研修中のU先生に、通常の受け入れの準備をお願い。当院の初期研修医O先生に、当直表を元に、傷病者が増えた場合の、院内の他の当直の先生達の応援を打診してもらいました。

当院へ搬送となった、患者さんが救急外来へ到着するまでに、フライトナースでもあるO川看護師が病院へ到着し、救命救急センターでクロノロを開始してくれました。
途中、センター長へも直接電話連絡し、会合の会場から直接病院へ来ていただくことにしました。
救急外来へ患者さんが到着した時には、すでに、数人のDMAT隊員が参集してくれたため、全体像の把握はセンター長にお願いし、自分は通常の当直業務だけやっておけば良い程度になっておりました。
自分は、遅くまで残って仕事をしてくれていた、救急科後期研修医T先生とともに、重症の熱傷の患者さんの初療を行い、その後救命救急センターへ入院になりました。
その間、ぞくぞくと集まったDMAT隊員が、出動メンバーを選定し、DMATカーで現場に出動して行きました。



また、自宅で非番だったI先生も、LINEのメッセージを見てくれ、自宅から直接現場に駆けつけ、DMAT隊員として活動してくれました。
DMAT隊員が活動中に、センター長からDMAT事務局へ連絡していただき、EMISを警戒モードにしていただきました。
「局地災害では、積極的に情報をはき出す努力が必要である」ことを、実感しておりますので、クロノロを意図的に頻繁に掲示板に上げるように、A業務調整員にお願いしてやっていただきました。
(病院本部です)

現場では、鎮火まで比較的、時間がかかった様で、なかなか現場に近づけず、救助は困難を極めたようです。
(出動隊員からみた現場です)

結局、現場に到着した、当院のDMAT隊員達は患者さんと接触できず、2:17に撤収を決め病院へ帰投しました。

これまでの、DMAT訓練・局地災害対応などにより、非常に素早い局地災害対応ができたと思っております。
毎回、振り返りとその改善を繰り返すことで、より良い災害対応ができることを実感した夜でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿