2014年9月3日水曜日

土砂災害のDMAT活動について、よかったことと、改善するべきところを思いつくまま

多田です。

医療的には今回の災害対応は収束しつつあります。
忘れてしまう前に、今回の災害対応について、よかったことと、改善するべきところを、次の災害に生かすべく挙げておきます。

<よかったこと>
・DMAT隊員が怪我なく活動を終了できたこと

・医療専用である、ドクターヘリを活用できたこと

・病院全体で対応できたこと

・昨年度、院内災害対策訓練とDMAT訓練(そのときの投稿はこちら)を同時に行っていたため院内対応が円滑だったこと

・クラッシュ症候群が原因で、救助後に「現場で」なくなった患者さんがいなかったこと

・普段、顔の見える関係のO救命士さんが、現場で静脈路を確保できたこと

・消防署を活動拠点本部にさせていただいたことで、情報の共有がスムーズにできたこと

・所長室を本部として使用させていただいたことで、さらに情報の共有がスムーズにできたこと

・DMAT広島県本部との情報共有はうまくいったこと

<改善するべきところ>
・隣県のヘリが、広島ヘリポートの駐機スペースの問題で、1機しか呼べなかったこと

・直近の3次医療機関への情報提供がおろそかになってしまったこと

・災害の規模がわからず出発したため、装備が十分でなかったこと

・当院のDMATカーが、緊急走行が続けられなかったこと(すでに修理済み)

・安佐南のDMAT活動拠点本部とのコミュニケーションが遅れたこと

・極一部のDMAT隊が、不十分な装備で現場に入っており、活動拠点本部として、出発前に現場出動隊の装備品のチェックをした方がよかったこと

以上が、思いつくままに書き留めた今回のよかったことと、改善するべきところです。
また、病院や圏域での検証をして、よりよい災害医療を目指して行きたいと思います。


クタクタで帰院した病院の医局には、こんな気の利いた差し入れが!
うれしかったです。

2 件のコメント:

  1. お疲れさまでした。
    あの大雨がこれほどの災害になるとは、思いもしませんでした。
    災害現場の医療の重要性を改めて学びました。

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  2. mmmさん>コメントありがとうございます。我々もこれほどとは思っていませんでした。医療が介入できた患者さんは極一部でした。最大限の努力をしましたが、無力感も大いに感じた活動でした。
    これを機会に、災害医療のことに興味を持っていただけると幸いです。

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