2014年7月13日日曜日

「急ぐ」と、「慌てる」

多田です。

救急医療に携わっていると、「急ぐ」仕事が多いです。

病院前では、患者さんに治療開始を開始するのを「急ぎ」ます。
(「急ぐ」ために現場に行きます)

治療開始に当たり、点滴をとるのを「急ぎ」ます。
病院への搬送を「急ぎ」ます。
(「急ぐ」ためにヘリポートへ迎えに行きます)

病院へ着いたら、病態の把握・根本的治療開始を「急ぎ」ます。
(「急ぐ」ために救急車を出迎えます)

などなど、一連の診療がすべて「急ぐ」必要があります。
特に、救命救急センターに搬送される患者さんは、「急が」ないと、生命の危機や、後遺症の増悪が考えられる患者さん達です。
時間の短縮は、我々救命救急センターで働くスタッフ全員の共通した目標です。
そのため、当センターのキャッチコピーは、
「Turn Back Time」

です。(「Turn Back Time」についてはこちらや、こちらの記事をご覧ください。)

ただし、「急ぐ」ことが必要な場面ですが、「慌てる」とは似て非なる物だと思います。
病院前で患者さんへの接触を「急ぎ」すぎて、ヘリの機長に無理な要求をするとか、
患者さんの状態を把握できていないのに、なんとなく「急いで」治療方針を決めてしまうとか。これは、「慌てる」だと思います。

持論ですが、「急いで」いない時に、きちんとした仕事ができない人は、「急いだ」時には、「慌てる」ことしかできないと思います。
普段、もれなく確実な仕事ができる人が、その時間を短縮することが、いわゆる「急ぐ」ことだと思います。
「急いで」仕事をするにはどうしたらいいかを考えますが、自分の中での一つの答えは「急いでない時に精度の高い仕事をし、優先順位をつけること」だと思っています。
「急ぐ」時のために、「基本の徹底」を普段から準備しておくことが大事ですね。
(基本を勉強中)

「慌てる」ことと、「急ぐ」ことの違いを、研修医の先生達に伝えて行くことができればいいなと思っています。

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