2014年7月17日木曜日

ドクターヘリの説明書:シリーズ第2回 要請方法のバリエーション

多田です。

無事、第2回を迎えた「ドクターヘリの説明書」です。
第1回で終了してしまったと思っていた方、多いかもしれません。
ゆっくり、マイペースで回を重ねてきます。
第1回の「ドクターヘリの基本的な活動」についてはこちらです。
今回は、「要請方法のバリエーション」について、ご紹介させていただきます。

1.現着した救急隊からの要請
 もっとも基本的な要請方法です。
 119番通報を受け、現場に到着した救急隊が患者さんを診察し、その結果、緊急度・重症度が高いと判断し、ドクターヘリ要請する形です。
 救急救命士・救急隊員の方々の医学的な判断に基づく要請のため、重症で緊急度の高い患者さんに出動することが多いです。
(患者さん接触までに、しっかりとした情報が入ります)

2.救急要請された内容を元に、消防指令から現着前要請
 患者さんへの接触までの時間を短縮するために、劇的な効果を発揮する要請方法です。
 結果、軽症だったり、結果、緊急度が低かったりすることがありますが、本当に重症で、緊急度の高い患者さんを拾うためには「オーバートリアージ」の容認が必要です。
(崖から車が落ちて、中に人が閉じ込められていると聞いたら要請してください)
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3.救急搬送された病院から、「緊急外来搬送」要請
 広島県は北海道に次いで、無医地区が多い都道府県だそうです。特に、島嶼部や山間部の病院では、重症患者さんの対応が難しいことがあります。そういった患者さんが、近隣の病院へ救急車で来院された時に、「緊急外来搬送」という要請方法があります。
転院先の病院が決まってなくても、ドクターヘリのスタッフが救急外来等までお邪魔して、患者さんの治療や搬送を行います。
(いろんな病院に、お邪魔します)

(病院近隣のランデブーポイントです)

4.転院搬送の要請
 病院間搬送の要請です。
搬送先病院が決定していて、救急医が搬送に同行した方がいいと考えられる患者さんの場合、ドクターヘリでの転院搬送を行っています。
広島県の場合は、搬送元の病院から医師が同乗する場合には、原則として、消防・防災ヘリを使って転院搬送を行います。


(搬送先病院のヘリポートです)

(搭乗する医師がいれば、防災ヘリのことも)

以上が、自分が思いつく要請方法のバリエーションです。
空振りOKですので、なるべく早く、患者さんと接触できる方法で要請していただけると幸いです。
シリーズ第3回は、また忘れられたぐらいに投稿します。

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